この様な企画に関わらせて頂いて
本当に感謝です。
人間の心なんて抽象的なもので、
完全にわかり合うなんて不可能ですが、
お互いに分かり合えたような
そんな気分になることは
できると思いますし、
それが大切なのかなぁと。
僕自身、
別に楽器が特別上手いわけでもないですが、
何でまだ音楽を続けてるのだろうと考えた時に、
音楽が人に与える影響力の可能性
というのもあると思っています。
本気の演奏に立ち会うたびに、
毎回未知の体験に誘われる可能性。
これが面白い。
つい数年前まで、
上手い人が集まって
協力しあって楽しく演奏すれば、
それだけで十分いい演奏になるだろう
と思ってましたが、
オーケストラやアンサンブルは、
そんな生易しいものではなかった。
もっと複雑で、心が入り組んでる、
もはや1つの生命体です。
そう思うようになってから、
僕が関わるコンサートの最終目標は、
「メンバーもお客さんも、
僕と関わった全ての人が、
“もう一度やりたい!”
“もう一度あの音を聴きたい!”
と思うコンサート」
に、シフトしてきました。
そう思えるコンサートって、
多分一生心の片隅に
良いイメージとして残り続けて、
その人の人生になんらかの影響を
与え続けると思うんです。
僕には
とりわけ音楽的な才能が
あるわけでもないけれど、
そんな活動を続けられるのなら、
自分の存在意義も出てくるのかなと。
それまでは、
演奏のクオリティばかりに
気を取られてましたが、
クオリティを上げる、ということは、
この目標を達成するための
手段の1つでしかないんですよね。
クオリティ自体が目的になると、
本末転倒、
音楽の意味がどっかへいってしまう気がします。
今回の演奏会を通して、
何故かは分からないけど
もう一回やりたい!
とか、
またこの音を聴きたい!と感じて、
あの時の興奮が
心の片隅に少しでも残ってる人が
いたとしたら、
嬉しい限りです。
さて、数年前から
僕が撒き続けてきた新種のタネが、
色んなところでようやく
芽を出し始めそうな予感がしてきました。
どんな花が咲くのかは、僕にもわかりませんが、
これからの人生が楽しみです(^^)