◎理想の音楽家ってどんな人?

◎理想の音楽家を目指して

セレーノ・チェンバーオーケストラの第5回定期、無事終演しました!

同時に、2年目のシーズンに突入です!

個人的に反省点はもちろん多々あるのですが、今できる最大限の”攻めの姿勢”での表現ができたのかなとは思っており、

終演後のお客様の表情を見て、安心しました。

今回個人的に頂いた、感想の中で1番印象的で、嬉しかったものをご紹介します。

深く音楽やオーケストラの世界に関わっておられる同世代の仲間からのご感想です。(匿名ですが勝手に転載してすみません笑)

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「本日はお疲れ様でした。よい演奏会をありがとうございました。
今日は本当に伺えてよかったと思えました。
月並みですが、「頑張っている人たちの演奏は正義だな~」と思った次第です。

最近少しプロの仕事の現場を見ることもあり、”これがプロなんだったら僕はなりたくないな”と思うことの方が多かったのですが、

今回は、
“ああ、こんなプロいいなぁ!”
と感じました。

今後のご活躍期待しております。
また遊びに行かせてください!」
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僕自身も、これまで

「プロの音楽家ってどうあるべきなのだろう」

ということを考え続け、世間の常識に疑問を抱き、

音楽を通して、人々に、また社会に対して価値を与えるとはどういうことか、ということを模索して来ました。

よく「音楽家は、夢を売る職業だ」なんて言ったりしますが、

夢を売るなんて簡単に言うけど、難しい!

まずは、コンサートに足を運んでくれたお客様はもちろん、出演者も、関わってくれたスタッフも全員が、音楽を通して幸せな気持ちになれるコンサート、

これを追求することが、プロの音楽家の第1の使命ではないのかなと、考えています。

そんなこだわりを持って始めたセレーノミュージックの活動、その一つの集大成であるオーケストラ公演の第5回目の記念定期で、このような感想を頂けるということは、少なくとも一部のお客様にはこだわりが通じたのかなと、素直に嬉しいです。

これからも、

“こんなプロ演奏家って、素敵だな!”

と思っていただけるようなグループで活動を続けていきたいと思います。

次回公演をお楽しみに!

今年は、メンバー同士の室内楽公演も増やしていく予定です。

そちらもお楽しみに!


◎演奏は人柄そのもの!

色々な方の演奏を聴いてきて、
最近思うのは、

潔く、躊躇なく、自信を持って
“自分”を出せる方の演奏は、技術的なものに関わらず、面白いなと思えます。

何かもっと低い次元で、不安を抱えていたり、思っていることが表出できないようなことがあったり、自分の表現に自信が持てなかったりすると、どれだけテクニック的に整っていても、力の弱い音楽になるような気がします。

芸術なんて、自己満足を極めること。

自信がなければ、他人は感動しませんよね。

明日のコンサートは、全部のリハーサルは聴けませんでしたが、おそらく、

“個のぶつかり合い”的な、室内楽の醍醐味を楽しめるレベルの演奏を、楽しめるのではないかなと、期待しています!

リハーサルの後、ご挨拶と今後の打ち合わせを少しさせていただいて来ました。

その後今回のゲストコンマスのダニエル・ルービンスタインさんと、ゲストプリンシパルのソフィさん、指揮者と、常任コンマスの4人で記念撮影(^^)

音色も人柄も素晴らしいお二人と、共演できるのが楽しみです(^^)

4/4日、まだまだお待ちしています(^^)


社会の”器”になるということ

“芸術を人生の軸として生きるとは,独創的な表現の〈主体〉になることではなくて,社会の〈器〉になることだということを心に留めておいてほしい”

京都芸大総長の鷲田清一さんの、今年の卒業式のはなむけの言葉の中の一部に、すごく共感したので、紹介します。

鷲田清一さんと言えば、基本的に面白いことなんてない学校の国語の教科書の中で、一際異彩を放ち、高校時代に興味を持って読んでいた作家さんですが、こんな人がリーダーである京都芸大、ちょっと羨ましい!

全文は、リンクから是非読んでみてください。

芸術を志す人ならなら、もう読むべき。損はないと思います。

ただ、芸術大学の卒業生が、この言葉の本質をどれだけ理解できるのかは、僕にはわかりません。

というか、わからなくて当然。
僕も、きっと22歳の時には、分かったつもりにはなれても、理解できなかった。

今になって、”社会の器になる”ということの重要性、もとい使命感を、ひしひしと感じています。

芸術家たるもの、”受け入れる器”がなければ、表現なんてものは伝わらない。

世の中に蠢く想いの丈を掬い取れるキャパシティがなければ、”美”という価値をクリエイトするというところまでいけないんです。先に器!

さすが、聡明な鷲田清一先生、上手いこと言うなぁ〜。尊敬です。

全文はこちらから。

京都芸大は卒業式のカオス具合でも有名ですよね笑

http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=97217