コンピューターの性能の向上や、インターネット出現で、あらゆるクリエイターやアーティストによる作品の価値付けの低下、無償化の流れが進む中で、
これを止めようとするよりも、流れに乗って新しいマネタイズの仕組みを設計した方が、結果的に効率よくその価値を広められるのではないかと、僕も思っています。
小説、絵本、漫画、雑誌、なんでもインターネットを通して無料や格安で読める。
映画もいろんなサイトで無料、格安で観れてしまう。
コンサートに行かなくても、youtubeなどで無料で音楽が聴けて、見れてしまう。
デザイン素材も、フリー素材がどんどん出回る。ロゴデザインなんかも人工知能が無料で創ってくれたりする。
こういうことが進むと、クリエイターやアーティストにお金が入らなくなって活動が苦しくなるので良くない!
と言うだけは簡単。
もちろんある意味正しい。
でも、その流れは止まらない気がする。
だったら、逆に、
無料でこれだけたくさんの人にアプローチする手段が無限にあるこの時代だからこそできる、新しい仕組みを考えていかないと、
昔のやり方は通用しなくなる。
昔のやり方が通用しなくなるという現象は、いつの時代、どの現場でもあったはず。
実際に、作家さんや映画作品などは、無料コンテンツの有効利用で、うまくマネタイズができている例が出てきてる。
では、音楽は?特にクラシック音楽と何が1番大きく違う?
そう考えた時に、一つの答えは、
“個人の強さ”
ではないだろうかと思ってます。
新しく売れる小説など出版物、映画、比較的マネタイズが上手くいってるクリエイターたちにこぞって言えるのは、
個性の強さ。
新しいものを作ってる人なのだから、当たり前なんですけどね、人気が出れば、今生きているクリエイターにファンがつく。
作家、漫画家、映画監督、俳優、
これらの仕事で成功してる人たちは皆、今を生きて、自分の想いを作品にぶつけることで、ファンを掴んでいる。
クラシックの演奏家はというと、もちろんそういう方もいるけれど、どちらかというと、自分を出すより、自らを作品や作曲家、音楽そのものの価値を伝える”手段”のような捉え方をしている人が多いように思う。
これは間違ってない。本来そういうものであるべきだと、僕も思っている。
ただ、新たにクラシック音楽を面白いと思ってもらう人を増やそうと思ったら、
今、この時代に、本気でクラシックを面白いと思っている演奏家自身にもっとスポットライトを当てないといけないのかなと思っています。
演奏家の生き様を、もっと発信する、
“なんでこんなことを人生かけてやってるのか”
“ベートーヴェンを通して、あなたは何を伝えたいのか”
そんなことをもっと伝えられるように、仕組んでいかないといけないなと、思っています。
大切なのは、やっぱり”人”なんだと思います。
私も含めて、演奏家自身が、自身の演奏を通して”何をしたいのか”もっと深く追求する必要がありそうです。
その想いはきっと人それぞれ。ただ、その想いの強さに、惹きつけられる人は必ずいるはず。
具体的なマネタイズの仕組みは、、
たくさんアイディアはあるけれど、一つずつ試すしかないですね。